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2007年 03月 22日
写真っつーのはさ、生きることことなんだよね。『天才アラーキー 写真ノ方法』荒木経惟Araki Nobuyoshi著/集英社新書/740円/2001年5月22日発行、な、なんと奇しくも私がカ、カンレキ!になったその日に出版された暗示的な本です。
天才写真家に、写真の撮り方、見方を教わってみよう!と、いうことで私の写真暦も<もとに還って>還暦で出直そうという意気込みでしたが、ロクロク写真も撮らないうちにぞろ目な歳も間近(マジか!)と狼狽しながら再読、感銘を新たにしました。 「まえがき」のような「あとがき」によれば、 こんなコトしゃべったかなあ、酒飲みながらヨイかげん。・・・まあポッ、ポッとかなり正しいコトもしゃべってる、酒飲みながらしゃべってるから考えてしゃべってない、だから本質がでてる、かなり真実をしゃべってる・・・・・という天才アラーキーの粋を極めたご酔談に酔いつつ抜き書きしてみました。 撮影とファッション 写真はやっぱり服装ですよ。写真を撮りにきました、っつうんじゃなくて、街に溶け込むっていう感じ。銀座の街で撮るのと新宿の街で撮るのじゃ服装を変えなくちゃいけない、そういうこと。スニーカー履いて銀座撮っちゃダメなんだ。新宿だとスニーカーでもドタ靴でもいいっていうような感じですよ。近所を撮るときは下駄履きで、とかね。ウーロン茶をすすめられるような関係性を作らなくちゃダメなんだ。 真実は見えないように 身近なものから関係を作って、だらだらやってけばいいのよ。気づいたことを続けていけば、写真のいろんなテクニックなりなんなりが出てくるんだ。 写真っつうのは、事件がないほうがドラマチックだし、重要なものが入っているワケよ。「火事だ!」っていうより、火事なんかじゃないときの心の火事よ(笑)とかさ。写真を撮るっていうのは簡単に言うと人づきあい、人との関係ですよ。むかしは客観的に見る、それが写真だ!とかいうのが流行ったけど、そうじゃなくて、もっともっと関係を、濃くしていく方がいいんじゃないかと私はおもうわけ。 懐かしさを素直に撮る 私の場合はさあ、世間でいう思想がないわけ。だから台湾に行くんでも大きくは考えないの。ゆったりと、わあーっと、こう、膨らんでくるような、息子を連れたお父さんの笑顔とか見てると、いまの日本のお父さんの笑顔とは類が違うような気がするんだよ。でも、そういうお父さんの笑顔っつうとかは、なんか漠然とだけど日本にもあったような気がしたの。そんで、懐かしいのはいいことなんだっていうのを確信したというか、確認した。 中学生の写真だなーとかさ(笑)。中学生にしちゃちょっとヒネてるか。初心っつうんじゃないけど、そういうのがいちばん大切ななことですよ。 「物語」は被写体がもっている やっぱりね、愛しい気持ちがなかったら、向こうの(被写体の)愛しさは出てこないですよ。絶対に。『人町』の最後のこの写真、いいだろ~。 これはね、きっと女はアルサロに勤めてる女で、右の男はそのアルサロに通ってたんですよ。男は女に、もう、ぞっこん。子連れだけど、女はすごく優しいしさ・・・・・・。見てると、すっごくなごむんだよ。彼女が彼の温かさ、包容力につつまれて・・・・・。まあ、そんなふうに勝手に物語を頭の中で創作しちゃうわけだけど。 もしかしたら、ありもしないストーリーを、あたしは気づかないで撮ってんのかもしんないんだ。変かもしんないけど、さ。写真小説とかいい加減なこと言ってるんだけど、写真は怖いんですよ。 写真は自分の肉体で撮る 動くことなんだね、写真撮るっつうのは。ともかく動かないとダメ。自分で動かないで、止まったままの位置でレンズを換える、普通はそうするでしょ。でも、そうじゃないんだよね。そこんとこだね、問題は。 モデルのとこに行って、囁くの。わざわざ囁きに行く。ごしょごしょっと。これがねえ、いい顔にするいちばんのコツだね。やっぱり、口説きに行かなくっちゃ、ね。ハハハハハ。 心のレンズで撮るように! 街を撮るのも同じ。街に対しても、自分が近づいて行くか引いて見るか、そういう感じ。こんなこと言うと交換レンズが売れなくなるけどさ(笑)。ズーミングっていうのは、ホントいけないんだよ。ズーズーっていう写真しか写んないんだよ、ハハハハハ ね。自分の気持ちとかが、でかくなんないんだよ。写真に関係性っつうものが写らないようにしたのはズームだね。あんな横着なのはいけないよ~。 ピカチュウと中田には負けた イタリーはよかったね~。イタリーのテレビのインタビューで、他の作家で言うと自分は誰に当たるかって訊かれたから、苦しまぎれに「ピカソ」と答えたの。そんで、レストランのコックさんたちが俺を見てピカソと言ってんのかと思ったらピカチュウ、ピカチュウって言ってんだよ、参ったね~。ハハハハハ それからサッカーの中田。イタリーじゃ、日本人を見るとナカタ、ナカタで、アラキは出てこないんだ。 やっちゃいけないことやるのがアート おイタしちゃあいけません!っていう権力、警察がいないとダメだな。どんだけいろんなホントのことを暴露っつうか、吐露っつうか、それができるかっていうことだよね、アートって。で、案外、これでもあたしは隠し事、多いんですよ。まだまだ。ハハハハハハ 自らが撮った写真に鼓舞されるこれぞアラーキーやはり天才 では、またお目にかかります。 ※リサイクル・ベンチャー「資産売却課」ネットオークション #
by itabashi_1
| 2007-03-22 20:00
| 写真
2007年 03月 12日
仮説力、直観力、つっこみ力、極めつけは「鈍感力」となるようです。7日の読売夕刊「トレンド館」に日曜版「本 よみうり堂」が出店し気になる本が何冊か紹介されていました。
先ずは<ベストセラー怪読>、 強運も味方の「アピール力」 『鈍感力』渡辺淳一著、集英社、1100円 ジャーナリストの森健さんが見事な包丁さばきを見せていました。『書店を回っていて気が付いた。今は「力」の時代らしい』。以下、 科学系作家竹内薫が仮説思考を勧める『仮説力』、スポーツ心理学の児玉光雄が提唱する『直観力』、青色LED訴訟の若手弁護士荒井祐樹が説く『プロの論理力!』、反社会学がテーマの自称イタリア生まれパオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』・・・・・と『○○力』という題名の本が溢れているのだ。いずれも専門領域を踏まえた「力」の重要性を力説。いますぐ身に付けねばと思える筆力で迫る。 そんな「力」本ラッシュの中、図抜けた存在が渡辺淳一『鈍感力』だ。 発売当初も好調だった同書だが、21日以降は爆発的に火がついた。その前日、小泉前首相が中川幹事長らに「目先のことに鈍感になる『鈍感力』が大事だ」と訓じた。その翌週、新宿の大手書店では軒並み完売していた。いまなお強い小泉前首相の神通力を見せつけられた思いだ。 さて、その『鈍感力』、森健さんによりますと、 中身はタイトルどおり。著者得意の医学方面から、自立神経の調整や男女の生物学的特質などに触れ、敏感でいるよりも鈍感なほうが生きやすいという人生訓を開陳している。定番の男女問題も期待を裏切らない。男性が女性を口説くには、数回断られてもへこたれない鈍感力が必要だとし、自室に女性を誘うときも、 「雑然としていて、少し汚れているようなだらしない気配を感じたほうが、女性は安心して気が楽になります」 と説く。そう言われて肩の荷を降ろす男性も多いだろう。筆者もその一人だ(当ブログ筆者もその一人?惜しむらくは、ちょいと人生をやりすぎかな)。 読み進むと、直感的にも論理的にも正しくない仮説では? とつっこみを入れたいところもある。だが、そう考えること自体、まだ鈍感力が足らないようだ。 ◆28万部(3月4日、Amazon調べ週間ベストセラー第2位) 新刊紹介で無視しがたいタイトルの本がありました。 『老いて賢くなる脳』エルコノン・ゴールドバーグ著、NHK出版、2000円 認知神経科学の第一人者が紹介する脳サイエンスの最新情報。右脳は未知の経験を探索するのに対し、左脳はその知識を保存する。年をとると、右脳は縮んで小さくなるのに、左脳はむしろ弾力性を増す。脳は加齢による機能低下を補い、経験を蓄積することで知恵を発揮できるのだ。脳のメカニズムを知って、元気が出てくる。藤井留美訳。 私もあわてまくって遅ればせながら少しでも知識を仕入れ、左脳に活躍してもらおうと思います。鈍感力は人後に落ちないので・・・ 感性もカビが生えたかこのところ鍛えなおすか鈍感力 では、またお目にかかります。 ※リサイクル・ベンチャー「資産売却課」ネットオークション #
by itabashi_1
| 2007-03-12 17:00
| 本
2007年 02月 25日
『武士の一分(いちぶん)、写真家の1分(いっぷん)ってね(笑い)』 ご存知名調子と共に写真家の荒木経惟さんがAERA English3月号の[パックン対談]に登場していました。
パックン 写真に目覚めたのは何歳のときですか。 荒木 まだ目覚めてないねえ。このとこ寝不足で(笑い)。 P:So when did you firsit awaken to the wonder of photography? A:I haven't awoken yet. I'm behind on my sleep these days. さっそくアラキ調で始まりましたが、翻訳を超えているところが多いようですので日本語対談のままさわりをご紹介してみます。 パックン 荒木さんは海外でも売れっ子なんですけど、日本人を撮るのと、外国に行って向こうの人を人を撮るのでは違いますか。 荒木 私の場合は「言葉撮り」でしょう?いい加減なこと言って、相手がそれに反応したところを、撮る。そういう意味では、海外は難しいね。でもね、それ以上に、向こうの人は顔に言葉がある。イタリーに行ったときに、紡績工場の職工たちを片っ端から撮ったんだけど、みんなマストロヤンニみたいに、かっこいいの。日本人はさまになんないね。 コミュニケーションは、いい写真を撮る最大の道具? 完全にそうだね! パックン 荒木さんは有名な方の写真もいっぱい撮ってらっしゃるけど、自分も有名人でしょ。どう思います? 荒木 有名になろうと思ったわけじゃないけど、でも流れだから。だって、写真家っていうのは、自分をさらさないと向こうもさらしてくんないって感じ、あるじゃない。 パックン しょうがないから、有名人を楽しもうぜみたいな感じですか。 荒木 もちろん、もちろん。だから撮り方も変わってくる。(中略)・・・ものすごくコミュニケーションして撮るの。知られちゃってんだから、もっとこっちをさらけ出す。それから向こうにもさらけ出させる。 パックン コミュニケーションは、いい写真を撮る最大の道具ですか。 荒木 ああ、もう完全にそうだね。それが正しいと思うよ。(中略) パックン 世界の荒木さんが見て、日本のいいところは。 荒木 どこだと思う? パックン マナーのよさ。お金で買えません。 荒木 礼節ね。いま、「武士の一分」って映画やってるけど。武士の一分(いちぶん)、写真家の1分(いっぷん)ってね(笑い)。 パックン 最後に一言、荒木さんならではのコミュニケーション術を。 荒木 うん、とっさの接吻だな!一分でも、1分でもなくて、接吻。シャッターチャンスと同じぐらい速くなくちゃ。 パックン 瞬発力! 荒木 こっちの気持ちの接吻のようなもんだよ、写真なんて。本能的とか、生理的とか。街撮ってても、すぐ電柱に接吻するから、もう、唇が荒れてしょうがないよ。 その他、3月号のAERA EnglishにはU2ボノのインタビュー記事『今のアフリカ、それは毎月津波が襲ってくるのと同じだ。』や、『ウィル・スミス父子が贈る、幸せになるための英語』などなかなか読み応えのある記事が満載でした(日本語部分だけ読んで満足してしまう傾向をいつも反省してます)。 撮るならばやっぱりにっこりアラーキー笑顔は残れど真顔それまで では、また来週お目にかかります。 ※リサイクル・ベンチャー「資産売却課」ネットオークション #
by itabashi_1
| 2007-02-25 17:00
| 写真
2007年 02月 11日
バブル経済の到来と、今日行き着くところの格差社会を○まる予言されたかのように「マル金」「マルビ」の流行語を生み出し、第1回流行語大賞に選ばれた「ヘタウマ」イラストの開祖イラストレーターの渡辺和博さんが逝去されました。
これからいよいよ活躍される56歳の若さで天に召されるとは何とも悲しいことです。残されたご著作を偲びながら渡辺和博さんのご冥福をお祈りしたいと思います。 私の宝物、金塊巻3部作を読み返し終えたところです。渡辺さんの愛にあふれた予言的な著作は、失ったもののあまりの大きさに呆然としつつも希望を捨ててはいけない、という貴重なメッセージを残してくださったと思えてなりません。 「金塊巻」渡辺和博とタラコプロダクション作品・主婦の友社・880円・84年刊 金箔の腰巻には<誰も書かなかった人気職業の○金持と○ビンボーの徹底比較!!笑うかどには○金来る>。 私も発行と同時に即買い読破、大いなる共感と感銘を覚えたことを思い出します。 本文のイラストはまさにヘタウマ調でほのぼのですが「よく掴んで」いて徹底的な取材をバックにしたオモシロきびしい文章とともにヤワラからい「タラコ」調てんこ盛りです(300ページ、厚さ3cm強の大作)。 まえがきに忘れられない一文があります。 ○金の強みは、お金が余って幸福なので、いつもニコニコしていることです。その結果、彼は善人に見えるので他人から好かれ、他の多くの○金仲間が合体して、よりいっそう○金の地位を固めていきます。 コンテンツは目次で一目瞭然です。 女性アナウンサー①幸運の織り目/医者②そっとお寝み/ 金塊巻第2弾は「金塊巻の謎」渡辺和博とタラコプロダクション作品・主婦の友社・980円・85年刊 銀箔の腰巻には<戦後最大の問題作 ○金○ビ オールカラー謎解き絵巻>。サブタイトルは、総天然色 戦後40年、○金○ビの誕生とポストモダン、国民生活のナウの行方の物語と序説 戦後の「国民生活」の変転と「ナウ(懐かしいヒビキ)」探求の物語仕立てです。物語はそれぞれ「ルポルタージュ」風でナベさん節絶好調でイラストもカラー化されいやがうえにも楽しめました。 結婚物語①○金への会談/デート物語②衣・食・住のナウの歴史/中流家庭物語③その歩むところに心せよ/父(企業)物語④ある晩年/編集者物語⑤働けど働けど返本減らず/カー・マニア物語⑥血中の外人濃度について/マイナー文化人物語⑦なんとなく、なんとなく/おしゃれな学生物語⑧人間は汁だ!/マンション物語⑨そして「住宅」は遠くなった/ブランド物語⑩この罪深きもの/酒屋(商売)物語⑪祖父への侘び状/コピーライター物語⑫それぞれの道 それぞれの物語が渾身の力作でしたが「コピーライター物語」が身につまされました。『オレは先天性○ビか!』と呻きつつその観察と洞察の鋭さにシャッポを脱いだ(古語)ものです。 いよいよの第3弾は「物々巻」渡辺和博とタラコプロダクション・主婦の友社・1000円・87年刊 サブタイトルは<’80年代日本国民 消費行動の喜びと悲しみ>、腰巻には「がんばれ!日本経済」○金トレンド白書 とあります。 第3弾はモノよりからのアプローチですが「DCブランド」DCという名の宗教、と一歩業界構造にも踏み入ったりして興味深い巻になりました。最後はポストモダン/エスノ&レトロで総仕上げですが3冊通してあれから20年、そしてこれから先は!?と考える上で面白くも貴重な本と言えそうです。 またたくまナウがレトロに様変わり様変わりでさえ古語になったか では、また来週お目にかかります。 ※リサイクル・ベンチャー「資産売却課」ネットオークション #
by itabashi_1
| 2007-02-11 15:00
| 本
2007年 02月 01日
よく行くコンビニでRealDesign3月号を手に取りましたら「仕事はオフィスで変わる」特集でサムライの佐藤可士和、TUGBOAT岡康道ら活躍中のクリエイターのオフィスが海外を含めて網羅されていたので「彼らの根城はどんなとこか?」という興味もあり買ってみました。
昨年春『RealDesignリアルに創刊 「世界一」のデザインを求めて』と題してご紹介した同誌ですが7月号から月刊化され、その後の健闘ぶりを楽しみながら読み終えたところです。かなりクロスオーバーな内容ですがエディター、ライター、写真がすぐれ、、エディトリアルデザインなども第一級で余は満足でした。 「仕事でオフィスは変わる」(これではキャッチになりませんが?)ことがよく分かって収穫でした。特集からではありませんが<連載RealPortraitCreator>で登場したクリエイティブディレクター・箭内道彦さんの記事がたまらなく愉快だったのでホンのわずかですが抜粋してみます。 僕らのプロダクト 箭内道彦 やない・みちひこ 1964年生まれ。東京芸術大学卒業後、博報堂に入社。2003年に独立し、『風とロック』を設立。プランニング、グラフィックデザイン、プロモーションなど広告に関わるすべての作業を手がける、自称「ひとり広告代理店」。TOWER REKORDS、FUJI FILM"PHOTO IS"、資生堂"uno"など。 「風とロック」とは、かわった社名と感じていましたが謎が解けました。 ほとんどマグレで決まったんですよ。言葉で風とロックは浮かんでいたんですけれどね。ある日飲み屋で酔っ払っている人に尋ねてみたんです。風とロックを社名にしたいんですけど、どっちがいいですかと。そしたら、『風とロック』でいいじゃん、それでいいといわれたわけです。なんかねぇ、それでいい気がしちゃったんですよ。それがヤバくてカッコよくて、強く憧れましたね。 マグレって、その人の能力じゃなく、脳の乱数表から突然生まれてくるようなものでしょ。・・・僕はマグレが大好きです。運や運命にはどうにもできない個人差があるけど、マグレは違いますから。世間はマグレを見逃し過ぎていますよ。ちなみにその酔っ払いは、「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督です。何も覚えていないはずなのに、今ではオレが名付け親だっていってますよ。 社名と同じ「風とロック」という雑誌を発行していることについては。 どんなに小さくてもいいから、自分発のメディアを持ちたかったんです。僕にとってはロックの広告です。メディアの重要性を教えてくれたのもタワーレコードのキャンペーンでした。もう10年もやってるんですけれど、最初の頃はミュージシャンに声をかけてもほとんど断られていました。そのうち向こうから出たいと言われるようになりました。キャンペーン自体がメディアになったんでしょうね。いろんなことが回転してきて自由度も高まる。これはおいしいと思ったんです。 『風とロック』には、自分にわからないものは載せません。応援したい人やモノだけで構成します。不純物は混ぜない。それが僕の広告手法だから。 仕事に重要視していることはリアルということとライブ感、「後出しジャンケン」だそうで!? 時代の先頭を走るとか、流行をつくってゆくことなんてことができないし、そもそも来年の予測とか大嫌いで、今と併走していきたいんですよ。世の中がチョキ出すならオレもチョキ出しとこうみたいな。世間に埋没しながら答えを見て広告をつくってる感じのほうが誤差が小さいんです。 リアルって言葉、大好きなんですよ(笑)。だからリアル・デザインのインタビューもお受けしようと・・・・・。たとえばリアルタイムというと、常に時間が動いていて、昨日とも明日とも違う、この瞬間を指すことになるでしょ。そういう気分が好きなんです。なんかね、広告やデザインの世界にはリアルじゃないものばかりが多くなっているんですよ。 無理やり価値を生み出す、みたいな。そういうところにクリエイティブが胡坐(あぐら)をかいている。自分を変えてゆく努力を惜しんでる。それをこだわりなんて呼んだりするけど、こだわるってのはそこに留まることであって、いろんなリアルから実は遠ざかってゆくんじゃないかと、そんな風に思うんです。僕はもう、どんどん手の内をかえていきたい。昨日と今日で言ってることが全然違うデザイナーですから。 箭内さんの反骨精神のお手本は? ひとり挙げれば、忌野清志郎さん。学生のときに観た『夜のヒットスタジオ』で、生放送なのに清志郎さんが予定にないパフォーマンスをしちゃったんですよ。放送禁止騒動とか何かで話題になっていたタイミングで、その怒りをそのまま歌に乗せた。 私勝手なご紹介でたいへん失礼してしまいましたが、箭内さんの繊細にして図太いメッセージをぜひ本誌でお読みになられるようおすすめします。 若いうち独立すれば良かったか行きつくところ泣かず飛ばずか では、また来週お目にかかります。 ※リサイクル・ベンチャー「資産売却課」ネットオークション #
by itabashi_1
| 2007-02-01 12:30
| 本
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